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[007]妄想が大きな被害をもたらす

  

 

大正・関東大震災では、火災旋風によって壮絶な被害が出ました。その被害は不可避であったわけではありません。

過去の二度の江戸・大火災と同じパターンの被害拡大でした。学びの欠落が被害を大きくしました。

事前に、大地震の発生も、火災被害もほぼ正確に予想されていたのに、安全だと信じたい「信仰」が対策を拒否しました。

大正・関東大震災では、震災発生後、朝鮮人が日本人を襲い、テロ行為をしかけてくるという妄想がものすごい勢いで広がり、恐れをなした自警団が各地で朝鮮人虐殺を重ね、6000人もの朝鮮人が理由もなく殺され、朝鮮人と間違われた日本人、中国人も60人ほど殺されました。政府の調査により、朝鮮人が不穏な行動を準備しているといった事実は全くなく、テロ行為の疑いさえ全くないことが明らかとなっています。

震災と火災の犠牲者とは別に、6000人余りの犠牲は、災害とは関係のない、あまりに気の毒な事件です。

この件につき、東日本大震災では、日本人のモラルの高さ、マナーの良さが世界から賞賛されたことと比べずにおられません。同じ日本人です。なぜでしょう?

情報が途絶え、正しい情報が入らなくなったことが考えられます。しかしこれは、東日本大震災でも同じことです。東日本大震災でも、津波の再来の恐怖、救援の遅れ、寒波、死者の多さなど、状況は似ています。

当時、社会主義者への弾圧が行われていましたが、社会主義者によるテロの妄想は生じていません。なぜ、朝鮮人テロという実体のない妄想が急拡大したのでしょうか。

日本は、朝鮮半島を支配下に置き、併合しましたが、朝鮮人の反発は根強く、日本人に対する憎悪が募っていました。そして、そのことを多くの日本人は知っており、朝鮮人に対する「罪の意識」がありました。現在の日本では、朝鮮併合を朝鮮のためにやったのであり感謝されていた、と主張する人々もいます。歴史的な検証は別の問題として、当時、朝鮮人に感謝されていると日本人が信じていたなら、朝鮮人がテロをしかけてくるという事実無根の妄想が急速に広まろうはずはありません。

事実がどうであったかではなくて、当時の日本人がどう感じていたか、です。当時の日本人に罪の意識があったからこそ、自分たちが弱い状況に陥ると報復をされるという強烈な妄想に怯えてしまうのです。

現在の日本人には、そのような罪の意識は大きくはありません。事実はそうでないところがあるとしても、他の国、他の民族、または国内の誰かに対して、多くの日本人が虐げているという罪の意識はありません。だから、報復されるという妄想が生じずにすみました。

なぜ、東日本大震災で、日本人が穏やかでいられたのか。その答えは、日本人が清く美しいからではありません。わずか88年前には、ナチスに匹敵する事件が起きています。

逆に言うと、世界のどの国、どの民族も、罪の意識から解放されるならば、非常時において、暴動や略奪や虐殺を防ぐことが可能となるかもしれません。

私たちが、現在、大きな罪の意識を持たずにすんでいるのは、まさに、世界中の皆様方のおかげでしょう。東日本大震災において、豊かで平和な国、日本へ物心両面のおおいなる支援をいただいたことは、次には私たちが世界へお返しをせねばならないでしょう。

罪の意識ではなく、感謝。

そういえば、どの宗教でも、神話でも、昔話でも、感謝が最大のパワーであると示されています。世界を救うという信念と行動は、まさに感謝から生まれます。感謝があれば、自律的に世界を救います。感謝がなければ、不本意ながら、世界を救う動きにコミットされていきます。もちろん、幸せは、自律的なコミットに違いありません。

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