メイン
創造の力
|
創造の力[014]宗教は、命令か?ミルグラム実験をご存知でしょうか? ドイツでユダヤ人虐殺が起きたのは、なぜだったのか? 実験の結果わかったことは、人間は、閉鎖的な状況で命令されると、どこまでも残酷になれるということです。 もちろん、ドイツ人だけに生じる現象ではありません。私たち日本人も同じです。戦争中、他国に対して行ったこと、自国民に対して行ったこと。敗戦を契機に一瞬にして国民の価値観が激変したのは、いったい何なのでしょうか? ドイツ、日本以外にも、すべての人々に共通する現象です。 権力者からの命令が代表的です。言論や情報を制限し、閉鎖的な状況を作りだして、独裁者が命令する。人間はどんなことでもしてしまいます。 カルトもそうです。それどころか、多くの宗教がそうです。他の宗教を見ることを禁じたり制限したりして、閉鎖的な状況を作り、神が命令する。同じ構図です。 私たちの社会やコミュニティもそうです。たとえば、田舎は、集落の神話があります。それに逆らえば罰があります。しかし、その掟の合理的な理由は説明されません。疑問を持つことは悪です。当然、改善もなされません。 これは、田舎だけでなく、ありとあらゆるコミュニティで多かれ少なかれ見られます。 宗教は、ミルグラム実験状況の最も厳然たるものです。閉塞状況、命令。疑問を持つことを禁じます。さらに、世界の終末や、地獄へ落ちるなど、恐怖とひきかえに逸脱を防ぎます。 近年では、宗教の持つこのような側面に嫌気が差して、無宗教の人々が増えました。 では、かわりによりどことするのは何でしょう? 科学、お金、政治、学歴、肩書き・・・ これらをよりどころとしても、直接幸せに結びつかないことは、誰の目にも明らかです。 私たちは、生きるすべを喪失してしまっています。 そもそも、宗教は、命令なのでしょうか? そしてまた、他の宗教を遮断する信仰のあり方は、果たして正しいのでしょうか? 神は、人間に何を期待されているのでしょうか? 表層的な理解では、こうなってしまいます。 これは、煩悩と欲望の権化ですね。むしろ、悪魔の所為か。 |