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[055]共産主義の本音

  

 

戦後、世界は共産主義vs資本主義の対立が起きました。世界が二分され、危機的な状況が冷戦となって続きました。ソ連の崩壊と前後し、次々と共産主義国家が根を上げ、ほぼ、共産主義は「間違い」であったと証明されたといってよいでしょう。

共産主義は、理想の世界、ユートピアを実現する「はず」でした。なのに、結果は、凄惨な独裁政治をもたらしました。

中国で、文化大革命が行われたのは、1966-1976年です。私の幼年〜小学生時代そのものです。そんなに昔の話ではありません。当時、日本でも知識人を中心に、文化大革命に理解を示し、あこがれさえ抱く人々が少なくありませんでした。

文化大革命の余波が日本へ及び、赤軍派の活動、そしてあさま山荘事件が日本人を震撼させ、共産主義への見方が転じました。

しかし、文化大革命で何があったか、その当事者は何を感じ、何を考えたか。それはなかなかうかがい知ることが困難です。共産主義であるがゆえに、なお、困難です。

『食人宴席−抹殺された中国現代史−』(光文社)という本があります。著者は、マルクスに傾倒し、共産党に参加したものの、現実がより悪くなっていったことに疑問を抱き、文化大革命時の惨劇を独自に調査しました。国家が隠そうとする事実を調べるため、多くの人への聞き取りなども行い、恐るべき事実をつかんだ時点で身の危険を感じ、アメリカへ亡命し、書籍として出版したものです。

彼は、中国への愛国心ゆえ、過去を清算し、学ぶことを望んでいます。

この本は、絶版となっており、なかなか手に入りません。また、文化大革命時の最も凄惨な出来事は、この本でしか明らかにされていません。おぞましい現実が描かれています。日本人には受け容れがたいものですが、一部を紹介させて頂きます。これは、精神異常者による犯罪ではありません。普通の人が、思想によって引き起こした出来事です。そして、私が紹介する事例は、ごく一部に過ぎません。私たちも、彼らと同じ人間です。臭いものに蓋をすることなく、学ばねばなりません。それが、同じことを繰り返さないための条件です。

文化大革命では、革命を進めるため、生け贄を必要としました。金持ち、右派など、かたっぱしからレッテルをはっては、糾弾し、虐殺していきました。労働階級の人々が、直接手を下したのです。実態は闇の中ですが、著者は、処刑された人、1500〜1600万人と言います。戦争による死者ではありません。自国民による死者です。

そして、さらに恐るべきは、労働者による虐殺と同時に、いくつかの地域では、食人が行われたとのことです。飢えによる食人ではありません。階級闘争による食人です。学校の校庭で学校の先生を、先生や生徒たちが糾弾し虐殺し、その肉でもって、学校の調理場で宴会をおこなったとか。ひどくなると、生きたまま肉をそぎ取って油でいためて食べたとか。肝臓も目玉も奪い合ったとか。

著者は、自国民が行った行為を、世界最大の蛮行であるとしています。そして、なぜ、そのようなことが、愛する母国で生じたか、理想世界を実現するはずの活動が、なぜそのような結果に至ったのか、深く省察しています。

それは、愛国心に満ちあふれる著者の慟哭にも聞こえます。他にも、中国内で、求めた理想と、得られた現実のギャップに苦悩する方々のことが記されています。

著者は、マルクス思想と、孔子の思想に共通点を見出し、その誤りを終章において、指摘しています。

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