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[056]ユートピアという地獄

  

 

『食人宴席−抹殺された中国現代史−』(光文社)で暴かれた、文化大革命時の惨劇。

著者は、マルクス思想と、孔子の思想に共通する誤りを指摘しています。孔子もマルクスも、非常に奥が深く、難解な思想ですから、全ての労働者が著作を読み込んで深く理解していたとは思えません。しかし、マルクスや孔子に、何かを見たのでしょう。

彼らが、マルクス思想や孔子思想に見たものは、ユートピアです。私有制度が無く、人々は私有財産を持ちません。人々は公益に努力し、働きます。社会には陰謀も詐欺も窃盗もなく、犯罪は全て無くなります。生活が安定し、夜中にドアを閉めなくてもよくなります。

抑圧に苦しむ人々が、このような世界を夢み、あこがれるのは、わからないでもありません。そのために、命を賭けて闘争する。

でも、実現したのは、より厳しい抑圧でした。

なぜでしょう?

人間の幸せは、不条理がなくなったところにあるのではありません。不条理とともに、あるのです。ユートピアを実現しようとすることは、すべての幸せを排除することに他なりません。

人間にとっての幸せは、「世界を救う」という普遍的な原理を感じ、そのように生きることです。世界を救うとはどういうことかという正解などありません。なぜなら、世界は無限の多様さをもつ唯一の世界であるからです。

どんな自然界の生物も無生物も、どんな人間も、2つとして同じものはありません。全ての存在が、世界を救うためにあります。だから、世界を救うという生き方は、無限に多様なのです。

善とか悪とか、そんな評価はしようがありません。

そしてまた、世界を救うということは、そこに不条理があるからこそ、成り立つのです。不条理が無くば、世界は救えません。不条理とは、「私から見ての不条理」であって、他人から見ると、道理であるかも知れません。

ユートピアは、地獄です。世界を救うことができませんから。

ユートピアには、自由はありません。がんじがらめの不自由あるのみです。

革命が良い結果につながりにくい理由は、ここにあります。自由に対する誤解です。

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