メイン
創造の力
|
創造の力[064]ファンタジーが示す真実「かんじんなことは、目に見えないんだよ」 ボク(作者のサン=テグジュペリ)は、王子さまと、砂漠の真ん中で会います。飛行機のトラブルで、砂漠にいるボクは、生きて帰れるかどうかという非常事態ですが、王子さまは、そんなことに頓着しません。 ボクは、のどがかわいて死にそうです。なのに、王子さまは、 なんとまあ、王子さまにとっては、生きるか死ぬかよりも、「目に見えない大事なこと」の方が、よっぽど大切らしいです。 しかし、つづいて、こう言いました。 ボクは、こんな果てしない砂漠の中で、いきあたりばったり井戸をさがすなんて、バカげたことだと思ったものの、王子さまといっしょに歩き出しました。 王子さまは言います。 そして、ボクと王子さまは、砂漠の真ん中で、井戸を見つけました。不思議なことに、車も綱もつるべも、みんな用意されています。 ファンタジーですね。メルヘンですね。おとぎ話ですね。 現実に、砂漠の真ん中であてもなく井戸を探したところで、おあつらえ向きな井戸が見つかるなんて、あるはずないです。 と、1つの文学作品だけ読んでいると、そう思えるのですが、これって、引き寄せの法則ですよね。引き寄せの法則は、誤解されているところがあります。ただ心に念じるだけでほしいものが手に入るという法則だと思う人たちがいます。それは、ぜったいにあり得ません。 引き寄せの法則は、様々な宗教、神話、昔話、伝承、成功法則など、人類の叡智に、例外なく盛り込まれています。この世の絶対的な真実(そうならないということがないということ)のようです。 ただ、「念じる→実現する」には、2つ、足りない条件があります。 利己的な欲望を念じても、うまくいきません。なぜなら、利己的な欲望は、世界(他者)から奪うからです。もしも、その欲望が実現したら、怖いです。必ず、世界は取り戻すからです。世界が取り戻すのではなく、奪うという行為は、利息をつけてお返しせざるを得なくなってしまうといった方がいいかも。それは、私たちが認識する言葉で言うと、「うまいこといった後で、災いが来る」となります。 奪うのではなく、与えるという願望を念じれば、世界と調和します。私はそれを「世界を救うというミッション」と表現していますが、愛とか、慈悲とか、そういう理解でもだいたい同じことです。 そして、「念じる→実現する」の間に必要なこと。行動です。 星の王子さまは、この2つの条件を兼ねて、引き寄せの法則を描いています。絶体絶命のピンチでも、奇跡が起きる。あらゆる人類の叡智が、そう示しています。 |