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[084]ノマドの行方

  

 

21世紀に入って、ノマドと言われる生き方が注目されるようになってきました。
ノマドとは遊牧民のことです。決まった場所で仕事をするのではなく、ノートパソコンなどを駆使して、どこででも仕事ができれば、自分の時間や行動が自由になります。

若い世代を中心に、そういう生き方を実現していく人たちが増えつつあります。ネットを使う仕事はかなりのものがノマドになりえますし、物書きなどの知的ビジネスもかなりがノマドになり得ますし、ほんらいオフィスが必要なはずの産業でも、事務や会議や企画などはオフィスにしばられなくてもできますし、技術の進歩とともに、ノマド可能な範囲が広がっています。

これは自由ですね。

満員電車、車の渋滞、人混み、煩わしい人間関係、決められた時間、決められた場所、こういうものから解放され、快適な場所で快適な時間をすごしながら仕事をする。なんと、すばらしい生き方ではないですか。あこがれる人たちも多いです。

しかし、このような生き方を実現するには、少々ハードルがあります。

まず、ノマド的な稼ぎ方ができねばなりません。雇ってもらうとか、仕事を与えてもらう稼ぎ方だと、時間や場所に縛られざるを得ないでしょう。自分の仕事を自分で創り出すスキルが必要です。そのようなスキルがあるなら、雇ってもらうより、はるかに安定した暮らしができます。あと、高度なセルフコントロールも必要です。自由であっても、仕事はしなければいけません。他人から管理されなくてもちゃんとやっていけるだけの、自己管理能力。精神状態の管理、健康管理、モチベーションの維持、対人関係の管理。かなりのスキルが必要です。

ノマドは決して、お気楽ではありません。

現在、ノマドがどんどん増えていますし、世の中全体が、ノマド的な方向へシフトしつつあります。国家が薄らぎ、企業の存在が薄らぎ、地域コミュニティは消滅へ向かいます。

しかし、ノマドになれる人は、100人に1人ぐらい。代償を払ってでも、自由な生き方を実現しようという人は、ごくわずかです。

100人中99人は、自由を怖れます。自己管理を怖れます。他人に管理してもらうことを希望します。
「それは、できる人たちの話だろう。ふつうの人には無理だ」

世界は、人々に、自立した生き方を求めています。でも、人間は、すべての人がノマドにはなれません。言い切ってもいいです。

ノマドワーカーが、考えたり創り出したりしたモノは、誰かが形にしなければなりません。誰かがそれを運ばなければなりません。誰かがそれを販売しなければなりません。情報であっても、情報が乗っているメディア、パソコン、インフラなどは、だれかが作っています。ノマドが通る道路、公共交通、自動車、住宅、都市、自然環境の手入れなど、それを手がける人々は、時間にも場所にも縛られます。

ノマドが増えることは、知的産業が発展することですし、21世紀には不可欠です。ノマドであればこそ、創造の力もパワーアップするでしょう。さらに多くの人が、ノマドにあこがれ、ノマドを目指し、ノマドになっていく。それは加速します。

しかし、ノマドの数より、はるかに大勢の労働者が存在します。多くの人々が、自由を怖がるというのは、じつに良くできています。

ややもすると、ノマドが、自由を怖がる人々を見下すこともなきにしもあらずですが、ノマドがノマドたり得るのは、まさにその、自由を怖がる大多数の人々に支えられてのことなのです。

ですから、ノマドは、自由を怖がる人々にリスペクトをもって接するべきでしょう。そこに、21世紀の社会のあり方がうかがえそうです。

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