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創造の力
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創造の力[110]世界は、優しい「武士道は、死ぬことと見つけたり」 不幸はエネルギーです。不幸であればあるほど、強烈なエネルギーです。生きる者は、不幸であることを良しとできません。だからこそ、何とかせざるを得なくなり、その意思こそが、エネルギーなのです。 人間は、凄惨な殺し合いもしますが、他人の不幸を想像し、苦労を分かち合い、ともに改善していく努力もまた、する生き物です。自分とは関係ないからと言って、知らん顔をする人が多くとも、そうではない人々もいます。 東日本大震災のあと、世界中からどれほど多くの「心」が寄せられたでしょうか。海外のほとんどの人には、「関係のない話」です。でも、人間は、そうではない。直接の関わりがなくとも、他人の不幸をいたわり、手をさしのべようと行動します。 彼らの「優しい心」は、何によって生じたのでしょうか? 日本が襲われた大いなる不幸がもたらしたのです。 世界には、大なり小なり、不幸が満ちあふれています。そのうちのかなりの部分は、人間の欲望や煩悩が生みだしたものです。もちろん、自然災害はそうではありませんが。 人間は、他の生物よりも、わざわざ×(不幸)を増幅しています。それをさして、「人類は愚かだ」とか、「人類は罪深い」などという人もいます。 いや、そんなことはありません。人類は愚かではありません。 私たちは、欲望や煩悩に振り回されて、なくてもいい不幸をたくさんたくさん作りだしています。そして、不幸=世界を救うエネルギー。 そうです。私たちは、世界を救うために、欲望や煩悩をもっているのです。 人間だれでも、不幸か、改善しないといけない状況か、満たされない思いをかかえています。 そして、私たちは、自らの問題に挑むとともに、他人をいたわり、ともに歩もうとします。 世界は、不幸で満ちあふれているがゆえに、世界を救うエネルギーで満ちあふれているし、優しさで満ちあふれています。 これは、大事な構図です。 というのは、世界は、どんな強者であれ、単独で、独立して存在することを許しません。そのような存在は、世界にとって、不要です。 必ず、人間どうし、生き物どうし、世界のあらゆる存在どうしが、関わり合って、世界を救うことを、世界は求めています。 人間が発揮する優しさとは、その関わりを生じるものです。 どうがんばっても、あなた一人で、あなたのその問題を解決できません。他との関わりにおいてこそ、解決が見えてきます。 さて、ここで次の問題です。 他との関わりにおいてこそ解決可能、という感覚は、「私は無力である」という思いを生じがちであり、ややもすると、それは、依存を生じます。世界は、依存を好みません。依存は、あなたの存在を卑しめます。世界をそれを望みません。だから、依存は良い結果をもたらしません。 |