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創造の力
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創造の力[168]地獄と極楽もごっちゃになってまんがな十王の話をご存知でしょうか? 日本の仏教では、宗派を問わず、死後、7日ごとに法事をいとなみ、7回目の7日、すなわち四十九日を区切りとします。あとは、百箇日、一周忌、三回忌(丸二年)です。だいたい、ここらへんで、故人への思いを精算します。 じょじょにお別れをしていく仕組みは、なかなか良くできたものだと思います。 ところで、この10回の区切り、十王がつかさどっているのです。 なんと、35日目が、あの閻魔大王です。ほかの大王はなじみが薄いかも知れませんが、閻魔大王レベルの番人です。それはそれは、怖い方でっせ! 私たちが生きていたときの罪をあぶり出し、とことん責められます。7日ごとに、裁判があります。よほどの善人でもない限り、いろいろ思い当たることはあり、それを断罪されます。そして、地獄か極楽かが審判されます。 この10人の大王は、まさに地獄の入口に立つ門番です。 ところが、この10人の大王、正体は誰だと思います? 秦広王…不動明王 怖い怖い門番の正体は、なんと、仏さんや菩薩さんです。閻魔大王の正体はお地蔵さまなのです。お釈迦さんや阿弥陀さんでさえ、地獄の門番に名を連ねているではありませんか。 さて、神や仏が、私たちの心の中にあるのなら、地獄も極楽も、心の中にあります。地獄と極楽は、別の世界ではなく、まさに私たちそのものであり、現実そのものです。 私たち自身や、私たちにとっての現実がすべてであって、それ以外の何者でもないということです。 仏と地獄が同じであることの意味は、私たちの現実に照らせば、大きな気づきをもたらしてくれます。 |