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[203]時間の取扱説明書 丁稚奉公

  

 

昔の人々には、丁稚奉公という仕組みがありました。江戸時代から終戦くらいまで続いた仕組みです。長期間の住み込みによる衣食住以外は無給に近い労働です。若者(子ども)は、一人前になる日を目指して、商店(会社)へ入門します。使い走りや雑用を、上司の指示通りにこなす日々です。かなり乱暴な扱いもされるようですが、文句は言えません。数年間、下積みを続けると、仕事の仕方を間近に見聞きすることで、成長し、一人前の力をつけ、独立していきます。

もっとも、実際の丁稚奉公は、競争が激しく、独立まで至るのは300人に1人ぐらいと言われていますが。

戦後は、人権や平等理念のため、このような仕組みはなくなり、いまや、古色蒼然とした感があります。

しかし、丁稚奉公そのものは消滅しても、それに似た「下積みの苦労」は今なお顕在です。とはいえ、若い人々には、嫌われますが。

丁稚奉公そのものでなく、もっと広い意味で、丁稚奉公的な下積みの時期を、丁稚奉公と呼ぶことにします。古くさい言葉だからこそ、あえて、使うことにします。

丁稚奉公には、大事な要素があります。

それまでに自分がどんな人生を生き、どんな教養を身につけ、どんな経験を持っていようとも、いったんそれを壊します。なぜかというと、自分の経験や知識は、それがどんなに立派なものであったとしても、世界の中で見れば、馬鹿みたいにちっぽけなものに過ぎないからです。そんなちっぽけなものを後生大事に抱えていては、しょせん、人様のお役に立つことなどおぼつかなく、自己満足の人生しか歩めないからです。

商売は、お客様のお役に立つことで報酬をいただくことです。お役に立つことのできない者は、金銭を受けとることなどできません。人様のお役に立つには、自分を鍛え、それなりに向上させねばできないことです。ちっぽけな自分が椅子にふんぞり返って金銭を要求するという図は、まことに滑稽であわれです。

稼ぐということは、地を這うような謙虚さと地道な努力が必要です。

丁稚奉公は、まさにそれを体にたたき込む絶好のチャンスなのです。成功への最短ルートでもあるでしょう。

世界の偉大な成功者たちは、どんな分野であれ、まずほとんどの方が、丁稚奉公の経験を持っています。成功に必要なのは、スキルやノウハウではなく、厳しい丁稚奉公体験なのです。厳しければ厳しいほど結果が良いようです。

ところで、前回書いた、若い世代の方々のひどい雇用状況は、丁稚奉公に似ていると思いませんか? だとすれば、成長を生み出すチャンスではないですか。

丁稚奉公は、厳しければ厳しいほどよいのですが、それに耐え抜くには、必要な条件があります。

ミッションです。

かつての、実際の意味での丁稚奉公は、独立することが、ミッションでした。独立した時の自分のイメージを片時も離すことなく、実現へ向けて、日々を過ごしました。

今の若い人々は、どんなミッションを持っているでしょうか?

自分さえ良ければよいとは思っていないでしょうか? 安定さえすればよいなどとふぬけた考えはありませんでしょうか? 世界へ貢献したいと真摯に願っているでしょうか?

ところで、エリートは人生において、不利です。彼らは、丁稚奉公を見下し、自ら丁稚奉公へ身を置こうと考えない人がほとんどだからです。もしあなたが、今、丁稚奉公状態にあるなら、人生最大のチャンスではありませんか。

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