平凡な人が、創造の力を使って、人生を変えるプロジェクト

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創造の力

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[205]時間の取扱説明書 産みの苦しみ

  

 

時間の流れは、必ず、生住異滅(起承転結)というサイクルを持ちます。生物なら、生老病死と言いますが、同じサイクルです。誕生→成長→(成熟)→衰退→消滅です。成熟は、成長の末期に当たり、成長が止まってしばらく現状維持が続く期間です。

じつにシンプルなサイクルです。まあ、ちょっと考えれば当たり前なのですが、こんな当たり前のことを、多くの人は見落としています。

バブル経済は、成長期に当たりますが、やがて成熟期に入り、衰退を迎えます。バブル後の20年間は、成熟期です。そして、本格的に少子高齢化が始まる現在以降、衰退期に入るでしょう。日本が衰退期に入ると同時に、欧米先進国が、ほぼ足並みをそろえて、衰退期に入っていきます。

衰退期においては、もう未来がないかのように見えます。

しかし、そこから新しい命が芽生え、新しい世界を継承していきます。

世界であれ、社会であれ、個人であれ、このサイクルは同じです。

個人の生涯の中にも、大なり小なりいくつものサイクルが存在しています。仕事も家庭生活も育児もどこにでも、このサイクルがあります。数日間のサイクルもあれば、数週間、数年間、数十年間というサイクルもあります。

たとえば、夫婦生活が数十年間続くとして、その間、いくつものサイクルを経ていることになります。夫婦生活が破綻せず継続しているなら、次のサイクルへの継承が無事に行われたことになります。

ここで、前々回に、丁稚奉公について書いたことを、もう一度振り返ります。

丁稚奉公は、ひどい労働環境です。低賃金(無報酬)、長時間労働、福祉なし、雑用と使い走り、上司への服従。この環境は、まったくどうにもなりません。この時期は、誕生を迎える前の、雌伏です。4サイクルで言えば、誕生の初期、胎児の状態です。胎児は、自分の存在が、親にゆだねられています。出産後の赤ん坊なら、自分で呼吸し、意思表示し、独立した人格として親と関係を持てますが、胎児は親の中にあります。

丁稚奉公は、まさにこの状態です。

しかし、胎児の時期なくして、誕生はありえません。しかるべき期間をしかるべき過ごし方で過ごした後に健やかな誕生があるわけで、急いで出てしまうと、未熟児として、生きていけないか、または保育器に入る必要があります。

胎児は、何もしていないように見えます。外からは、存在が見えません。でも、とても大事な「仕事」をしています。まさにこれが、丁稚奉公と同じ状態なのです。胎児のミッションは、「誕生」です。丁稚奉公のミッションは、独立です。

そして、出産時には、母親も、胎児も、大きな苦しみを超えねばなりません。

丁稚奉公も、独立時には、大きな苦しみを超えねばなりません。

丁稚奉公を、もう少し一般化してみましょう。

何をやってもうまくいかない時期があります。生活が苦しかったり、人間関係がうまくいかなかったり、健康が損なわれたり、ようするに、自分の力ではどうにもならない時期があります。

そんなとき、やけになったらおしまいです。自力でどうにもできなくとも、何かできることが残っています。それへ集中します。そんなことをしていても、どうにかなりそうには見えないかも知れません。それでも、目の前の、できることに集中します。脇目もふらず、一心に、集中します。

やがて、状況はさらに苦しくなり、もうダメかと思うような状況が訪れます。どたんばです。そのとき、覚悟を決めて踏ん張れば、一気に新しい局面が訪れます。

これが、「誕生」というサイクルの始まりなのです。

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