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創造の力

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[256]自然なお姫さまのお話

  

 

私たち夫婦が大好きなお話があります。このお話がじつは『舊雜譬喩經(くぞうひゆきょう)』という仏教経典の中にある話だと知ったのは、後になってからです。

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むかし、ある国に、月女というとても美しい姫がおりました。王は、月女に、珍しい宝物をたくさんたくさんプレゼントしました。なのに、月女はいつも、感謝するでもなく、「自然に宝物を頂戴します」と言います。

16歳になった月女に、王は言いました。
「これは、私がプレゼントしたものなのだ。いつも自然というが、少しは感謝したらどうだ?」

そのとき城の外を、ひとりの乞食が通りかかりました。
王は、「そんなに自然がいいのなら、あの乞食の嫁になるがいい。それも自然だというのか?」と言いました。
月女は、「わかりました。それも自然です」と言って、その乞食の嫁になろうとしましたが、乞食は、おそれおおいことと、尻込みします。
「あなたはいつも人から物を施してもらっているのでしょう? 王は、あなたに私をたまわったのです。遠慮などいりません。さあ、いっしょに行きましょう」と月女は言って、ふたり仲良く城を出て、夜も昼も歩き続けました。

そのうち、大きな国にたどり着きました。ちょうどその国では、王がお亡くなりになり、王には王子もおらず、次の王が決まらず困っているところでした。月女夫婦は、城の外にすわっていました。

道行く人々が、夫婦に尋ねて言いました。
「あなた方は、何という名で、どこの国から来たのですか?」

夫婦が答えます。
「ただただ、自然にここにこうしているのです」

こうして10日あまりが過ぎました。

そのとき、大臣が僧侶8人を使わして、この噂を確かめさせました。
「この夫婦こそ、我が国の王にまことにふさわしいお方です」と、僧侶達は答えをだしました。
そこで、国の大臣たちは、この夫婦を国王として、手厚く迎え入れました。

国王夫婦は、「何事も自然」という正しい教えを持って国を治め、人々は平和に暮らすことができました。
周囲の小さい国の王たちが、次々と訪れました。
その中に、月女の父王もおり、飲食のもてなしを受けて帰ろうとしたとき、月女はとくに父王をひき留め、たくさんの珍しい宝物やおみやげを渡しました。

そして、父王に厚く礼をなし、言いました。
「いま、本当の自然を得た気がします」

父王は答えました。
「おまえの自然という考え方は、私には及びもつかない尊いものだった」

人間は、欲があり、嫉妬し、怒りの心を持つために貧しくなっていく。
そのような悪い心を離れて、自然に生きていけば、福を得られるものです。

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月女の「自然な生き方」は、運を天にまかせた無責任な生き方でしょうか?
私には、ものすごく自分を強く持ち、責任感にあふれた生き方のように見えます。

月女は、努力していないでしょうか?
いや、そうではありません。目の前に起きることに対して、全力であたっています。

どことなく、マザーテレサに似ていると思いませんか?

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