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創造の力
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創造の力[300]階層思考と、俯瞰私たちをとりまく世界は、矛盾に満ちています。私たちにとっては、不快な出来事や存在、もっと言えば、苦しみや悲しみがたくさんあります。憎しみや嫉妬もあるでしょう。 そこへ、不平不満を持ち込んだり、誰かに勝とうとしたりすれば、創造はありません。 前回、『選択の力』という本を紹介しました。著者のシーナさんは、人間の情報処理能力、いわゆる選択可能な選択肢の数が7つ以内だということを明らかにしました。 現実は、はるかに複雑です。すると、人間は、現実をあまり見ることなく、選択や判断を回避していることになります。だから、何かに依存したかったり、何かに選択をまかせたかったりするのでしょう。 シーナさんは、選択が人間に与える大きな力を解き明かし、同時に、選択の代償と苦難も解き明かしています。選択は、絶対的な最善ではないとも言っています。原理主義的な宗教を信仰している人ほど、楽観的でうつ病も少ないという事実もあります。最も選択肢のない状態が、精神的な健康を創り出しているのでしょうか。 創造は、競争原理を超えねばなりません。そのためには、世界を救うミッションをもたねばなりません。それは、この世の中のあらゆる存在、あらゆる出来事を紡ぎ合わせることを意味します。 いいかえると、膨大な情報処理が必要です。 それは、合理的な思考ではおぼつかないので、右脳型の思考が必要とも考えられますが、「思い」だけで現実が動かないことは明白です。右脳と左脳を組み合わせたような思考、つまり全脳思考が不可欠でしょう。 膨大は情報を、バラバラに眺めるだけでは、何もできません。選択から逃避することになります。 しかし、自分でカテゴリを分けながら階層をつくって整理すると、どんなに膨大な情報も、7つ以内におさまります。これ、すごく大事です。 どの道の専門家も、やっていることは階層思考です。素人が考えにくいような属性を熟知しており、属性で階層化をします。だから、複雑で多様な情報を思うがままに操れるのです。 『東大合格生のノートはかならず美しい』という本があります。何のことはない。勉強のできる人は階層思考ができているのです。 ところで、階層思考によって、いくらでも膨大な情報を難なく操れるのですが、階層を上がれば上がるほど、俯瞰されていきます。膨大な情報を、大まかにとらえることとなるのです。 では、最も上層は・・・ 1つに集約されます。 どんなに複雑で多様であっても、あらゆる情報は、必ず1つに集約されます。でなければ、階層思考は成立しません。その1つが、「世界を救う」ということに他ならないのは、言うまでもありません。 |