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ホームスクーリング実践記

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[024]幻の名著

  

 

私が小学4年生の頃、親戚の家に、小学生向けの読み物があり、それがあまりにもおもしろかったので、なんどもなんども、夢中になって読みました。
  『数のふしぎ・形のなぞ』(少年少女ものがたり百科10)
  著者:宮下正美著、矢野健太郎解説
  偕成社/1962年

かつて、長さの単位が国によってまちまちだったので、世界標準を決めようとしました。世界標準は、人間の体でなく、地球を物差しとすべきです。地球の外周の4分の1を単位にしようということになり、ドランブルとメシャンがスペインのバルセロナからドーバー岸のダンケルクまでを実際に測量して地球外周の4分の1を確定し、その1000万分の1を1メートルとしました。このお話が出ていましたが、ほんと、感動的でした。と同時に、地球の外周が4万キロメートルであることを、私は小学生のうちからふつうに知っていました。

さて、地球に、ぐるり1周、ぴったりとすき間なく、ロープを巻きます。それを10メートルだけ長くし、均等に地球との間にすきまをつくります。そのすき間は、どのくらいになるでしょうか?
地球に対して10メートルなので、髪の毛が入らないくらいのすき間ではないかしら? それぞれの場合で、半径を求めて比べます。
 40000000÷3.14÷2=6369426.5(m)・・・(a)
 40000010÷3.14÷2=6369428.0(m)・・・(b)
 その差は1.5mです。
なんと、人間の身長程度のすき間です。ええっ?ほんまかいな?小学校4年生だった私はなんどもわり算しましたが、なんどやっても同じ結果です。
分配法則、結合法則を使えば、(b)-(a)はこう書けます。
 (40000000÷3.14÷2+10÷3.14÷2)−(40000000÷3.14÷2)
 =(40000000−40000000)÷3.14÷2+(10÷3.14÷2)
 =10÷3.14÷2
つまり、野球ボールであろうと、地球であろうと、どんな大きさの球体でも、同じように鉢巻きをまいて10メートル長くすれば、1.5メートルのすき間ができるのです。感覚的には受け入れがたいが、計算すれば、そうなります。

この本から、もうひとつ、ご紹介します。
 986×541=533426
小学校では、こういった筆算をたくさんこなします。ところで、この計算、合っているでしょうか?
このように検算できます。
 9+8+6=23 2+3=5・・・(a)
 5+4+1=10 1+0=1・・・(b)
 5+3+3+4+2+6=23 2+3=5・・・(c)
 (a)×(b)=(c) となるので、この計算は正解です。
これを九去法と言います。なぜこうなるのか、小学生だった私には理由が分かりませんが、まるで魔法のように感じました。あまりにも感動したので、これ以後、九去法を駆使して、かけ算の計算を間違えたことは、ほぼありません。
(厳密に言えば、九去法は計算が合っていることを証明するのではなく、間違っていることを証明する仕組みです。上記の検算で言えることは「9分の8の確率で正解である」です)
(九去法は、高校の数学で容易に理解できます)

『数のふしぎ・形のなぞ』から3つのお話をとりあげました。ほかにもたくさんのお話がありました。この本により、私の中で算数のスイッチがONになったのです。これ以後、算数、数学は大の得意科目で、大好きでした。

webで調べて頂ければわかりますが、私のような人が何人もいます。

残念なことに、この本は、かなり以前に絶版となっており、今では中古でも手に入りません。図書館にもなかなかないようです。

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