世界を救うというミッションをもって、今、目の前にフォーカスする

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どたんば哲学

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[023]そんなアホな!

  

 

2005年、小学校統合問題が再燃した。
その前年には、全てを覚悟した上で公開質問状をだし、統合に期待できるものが何もないと、心底わかっていた。

廃校か、存続かという「形」が最重要の問題なのではない。「世界のパラダイムが急速に変わっていく中、子どもたちの未来をどう考えるか」が最重要課題である。我が子にとってだけでなく、地域の子どもたちにとってだけでなく、日本の子どもたちにとってだけでなく、世界中の子どもたちにとっての課題である。そんな大きな話は、うちの子には関係ないって? そんなことないでしょう。どんな子も、世界の中のどこかのポジションで生きていく。別の地球で、別の人類とともに生きていくという選択肢は、今のところはまああり得ない。

しかしながら、多くの人は、「形」を見る。行政も、地域住民も、親たちも。

私は、統合問題への関心がトーンダウンしていた。どの形におさまろうとも、最重要課題がずれている。死力を尽くして、廃校を阻止する!なんて話は、目的が違う。

だから、2005年には、意見としては、「廃校にすべきでない」と言っていたものの、廃校にさせないための活動は何もしなかった。

私の関心は、廃校であろうと存続であろうと、「その後」にあった。つまり、我が子の教育をどうするか、という、まさにそのことである。

9月の村議会が統合決定のタイムリミットであり、そこへ向けて、行政は説明会を開いたりした。ほんとうは存続させたいと思っている親は意外と多く、統合反対の意見を強く言ったり、何らかの活動を起こすよう、私に求めてくる人たちもいた。

申し訳ないが、私は最重要でない課題に力を注ぐ余裕がない。

予定通り、9月に、廃校が決まった。
ちょうどそのタイミングで、次女が誕生した。

さて、我が子たちのことである。どういう選択肢があるだろうか?

1.統合小学校
2.オルタナティブスクール
3.転居し、他の公立小学校
4.ホームスクーリング

1→2→3→4 という順で、選択しやすかった。

統合小学校へ行かせることが、子どもたちの未来にどうつながるのか? それがまったく見えないことは、前年によくわかっていた。公開質問状を出すほどの行動をするのだから、その力で、学校を変えていけばよいという人もいた。それは非現実的だ。たとえ奇跡が起きて徐々に変わることがあったとしても、その頃には、我が子は卒業している。

オルタナティブスクールは、魅力的だ。公教育でないスクールを選択するのは最も良さそうな選択肢だ。しかし、通える範囲にそういうスクールがあるか。毎日、親が車で送り迎えすることが可能か。うーん・・・・

すると、転居か。今だからいうが、正直なところ、自分たちが尽力して創りあげてきた小学校をすすんで廃校にしてしまう地域で子どもを育てることは、子どもに良いことなのか?というためらいもあった。他の地域には、過疎化が進んでも、特例的に地元の小さな小学校を存続させている例もある。そこへ、小学校の見学に行った。

世界は、「集団に埋没して生きる」ことから「個人が自立して生きる」方向へパラダイムが移行している。社会のあらゆる局面にそれが見られる。良かろうと悪かろうと、現実だ。いままでの学校教育のあり方で、未来を生き抜くのはなかなか厳しいだろう。田舎の衰退も、この文脈で考えるべきだと思う。

私が見学に行った小学校は、超小規模校ゆえ「個人が自立して生きる」教育を必然的に進めている。なかなか良いではないか。私は、そこの校長先生、PTA会長さんに会い、転居、入学を検討すると伝えた。歓迎された。

ほんとうに、引っ越すのか? 童仙房を離れるのか? どうも、今のままでは、それがベストと見える。わが家は、その方向で進んでいた。

12月末、よりこが、思いつきで言った。
「京都大学に話をしたら? 小学校がなくなったあとに小学校をつくってもらったら?」

「そんなアホな! むちゃくちゃ言いよんな。なんぼ卒業生やからって、そんなことできるかいな! そんな可能性は、ないないない!! 2万パーセント、アリエナイザーや!」

しかし、わが家は、どたんばである。世界を救うというミッションをもって、今、目の前にフォーカスする。アホであろうと無茶苦茶であろうと、どうでもよい。

年の暮れ、12月30日、一家そろって、以前勤めていた出版社の社長のご自宅へお邪魔した。社長は、京大教育学部OBであり、京大教育学部の先生方の書籍を多数出版していた。

私は、社長に話を切り出そうとすると、「あっちへ行かなくていいか?」と言われた。
あ・・・、年の暮れに家族そろって来たもんだから、年を越す金が無くて相談に来たと思われたらしい。かなり深刻に思いつつ待っていてくれたようだった。

そのことで気が楽になり、思っていることを話した。
社長のリアクションは、想定内だった。
「そんな、アホな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

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