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どたんば哲学

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[070]引き寄せは、誰のため?

  

 

『ザ・シークレット』が世に広めた引き寄せの法則は、すばらしい。が、引き寄せの法則を適用するための条件を十分言っていなかった。

例えば、AさんとBさんが試合をする。両者は、実力伯仲だ。Aさんは勝利を引き寄せようとした。Bさんも勝利を引き寄せようとした。必ず、片方は引き寄せに失敗する。

では、Aさんは勝利を引き寄せようと、イメージトレーニングだけを行った。Bさんは、引き寄せの法則を使わず、精神面も技術面もベストの練習をした。はたして、Aさんが勝利をおさめるだろうか。

無条件に引き寄せの法則が常に成功するはずはない。いったい、どのような条件が必要だろうか。

ワトルズを研究することで、信念、勇気、行動が大切だということは見えてくる。もう少し、ビジネスの観点から見てみよう。私たちは、ピーターFドラッカーの著書を大量に購入した。

『もしドラ』も読んでみた。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』だ。

正直言って、ドラッカーの解説としてはあまりに初歩的すぎるし、小説としても、ストーリーはごく平凡だ。なのに、読後感は、満足度が高い。売れ行きもそれを裏づけている。ドラッカーと高校野球という、ミスマッチな組み合わせがイノベーションなのだろうか。

しかし、この作品が、多くの人を動かしたことは事実。何が魅力を創り出しているか、謙虚に見てみよう。

冒頭部分、第一のポイントは、これだ。

"真のマーケティングは顧客からスタートする"
"「われわれは何を売りたいか」ではなく…「顧客は何を買いたいか」を問う"

スポーツは、他人のためにするのではないはずだ。自分がやりたいからやる。自分の向上や満足のためにやる。誰かのためにやるなんて、おかしい。

しかし、『もしドラ』では、野球部の顧客を定義しようとする。ファン、自治体、納税者、マスコミ、高校野球に関わる全ての人。そして、野球部員は従業員であると同時に顧客である。

顧客は何を求めているか。

『もしドラ』は、そこから始まる。

ビジネスは、顧客の願望を実現することだ。商品があるから売る、というのはビジネスではない。顧客の願望が出発点なのだ。スポーツも、同じように定義した。新鮮な発想だ。

スポーツは、自分がしたいからするのだとしても、自分一人でできるものではない。多くの人たちの支援や関わりなしには、スポーツは成立しない。道具、グラウンド、自分一人で練習したとしても、他人の関わり無しには成立しない。そもそも、野球というスポーツを創りあげ、ここにある。そこにも多くの人の関わりがある。そして、野球をしている「自分」は野球をとおして何を求めているのか。勝利が全てなのか。

スポーツに関していうなら、顧客が求めるものは「感動」だ。感動を生み出すために、勝利を目指す過程が存在する。結果が勝利であるかどうかは重要ではない。感動に値する過程であるかどうか。

より多くのファンが満足し、より多くの環境整備がされ、より多くの支援が集まるには、より大きな感動が必要だ。感動を提供することなしにスポーツを続けることは困難だ、ということにもなる。つまり、自分本位であったり、中途半端な取り組み方は、「顧客の満足」につながらない。ひいては、「顧客としての自分」も満足しえないことになる。

たかがスポーツといえど、ドラッカーにかかると一変する。

ビジネスだけではない。人間の社会は、多くの人の関わりによって動いており、それらの人々にどのような価値を提供できるかで、自分が得られるものが大きく変わってくる。「成果」だ。

ビジネスであればなおさらだろう。私は、輸出入で、顧客を定義しただろうか。「売れそうな商品を売ってみる」というのが、本当のところだったのではないだろうか。

引き寄せの法則にも、顧客の定義が必要ではないか。誰かを幸せにする、あるいは誰かの問題を解決するための引き寄せであれば、奇跡が起きるのではないか。少なくとも、皆が自分本位の引き寄せをし始めたら、世界はバラバラになってしまう。世界が壊れるような原理原則はあり得ない。

『もしドラ』で、ドラッカーは第一に言う。

「学ぶことのできない資質、後天的に獲得できない資質、始めから身につけていなければいけない資質が、1つだけある。才能ではない。真摯(しんし)さである」

成功するための第一条件は、真摯さ。

『ザ・シークレット』の著者、ロンダ・バーンが、『ザ・パワー』にて補ったのが、まさにこの部分である。

つまり、引き寄せの法則は、このように言わなければいけないだろう。

「引き寄せの法則は、誰でも使うことができる。ただし、絶対にはずせない資質が1つだけある。真摯さである」

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