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どたんば哲学への道
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どたんば哲学への道[006]世界を救う・・・ペイフォワード偉大な成功者たちの秘密は、「世界を救うという強いミッションをもって、今、目の前にフォーカスする」だと、お話ししました。 「世界を救う」というのは、話が大きすぎて、わかりにくいですね。平凡な日常とはかけ離れているように感じますし。 ペイフォワードという映画があります。 11歳の少年が、社会科の課題「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」に触発され、ペイフォワードというアイデアを思いつきます。ペイ・フォワードとは自分が受けた思いやりや善意を、その相手に返すのではなく、別の3人の相手に渡すというものです。 少年は、渡すべき3人を選びますが、そうそう簡単に善意が伝染するわけでもなく、「失敗だった」と思います。しかし、知らぬ間に善意が次々と伝わっていき、大きなムーブメントを起こしていきます。 このストーリーは、成功哲学を表現していると思います。 感謝したくなるようなサービスを受けると、喜んで対価を支払うのみならず、他人にどんどん伝えてくれます。つまり、口コミですね。 ところで、善意が伝わるには、感動がなければなりません。意図的に口コミを起こそうとしても、たいがいは見透かされて、しらけてしまいます。感動というのは、命とか、生存とか、アイデンティティとか、そういう根幹の部分が揺さぶられたときに大きくなります。テクニックやノウハウで感動を呼ぼうとしても、たいがい無理でしょう。 私自身、振り返ってみると、骨髄移植のドナーとして見知らぬ人に骨髄を提供させていただいたのは、まさにぺーフォワードでした。過去に、自分が受けた「命の救い」を、何としても誰かに渡さねばおさまらないという思いから、ためらうことなく手術を受けたのです。そして、提供させていただいた患者様に、一度だけ許される手紙において、「どこかの誰かの命を救ってほしい。それが私からの唯一のお願いです」と書きました。まさにペイフォワードそのものです。 それ以外にも、私が何かをしていただいたとき、何としても他の誰かに渡さなければ、と感じたことはたびたびあります。私がさせて頂いたことが、思いがけず伝わったこともあります。 そしてまた、善意を渡すという行為は、「今、目の前」でこそ、可能です。 どたんばからの大逆転は、このへんに手がかりがあるように思います。 |